2016年1月28日木曜日

未来塾ロケ終了

こんばんは


12月24日に始まったNHK教育『東北発☆未来塾~映画のチカラ~』(3月放送予定)のロケは、開始からちょうど一ヶ月経った今月24日に無事(?)終えることが出来ました。

詳細はネタバレになってしまうので今はまだ伏せておくことにしますが、昨月24日に初めて講師の井筒和幸監督にお会いしてからというもの、本当に映画漬けの密度の濃い時間を過ごしました。

12月25日に課題が提示された後、28日に作品の構想発表会、翌5日に仮の脚本完成、そこでのアドバイスを踏まえて撮影前夜まで脚本の改訂作業が続き、9日~11日にかけては仙台市内の公園などで早朝から21時ころまで延々と撮影、14日からは編集作業が始まり、19日の0号試写、そして追い込みの編集と追撮を行い、24日の完成試写会と、映画制作の始まりから終わりまでをギュッと一ヶ月に圧縮したロケでした。

今回制作した作品は、参加者のR氏がもともと練っていた構想を基にしたものでしたが、井筒監督の挙げたある三原則に則った作品になるよう、何度も何度も改訂を重ね、初日、二日目の撮影が終わった後にも夜中に改訂作業を行い、最後のシーンを撮影するその瞬間まで脚本・絵コンテが変わり続けました。ただ、あとから見直してみると、慣れない共同作業・未熟な構成力もあって、削るべきでないところまで削ぎ落としてしまったり、場面設定や展開を優先するために不自然な演出になってしまったりする部分も多々ありました。それら僕らではなかなか気づけない問題点も、井筒監督やサポートに来てくださった技術スタッフの方々は即時に鋭く指摘して下さり、的確な助言を与えてくださって、ただただ感服するばかりでした。

面白かったのは、撮影三日目の、主人公とヒロインの大事なやり取りの場面。それまでもカップルらしさの演出が全くできておらず、苦労の連続だったのですが、やはり決定的場面なのに演出が不十分で、撮影テストの段階で行き詰まってしまいました。
呆れたスタッフの助監督の方が、「おまえたちは彼女いないのか?」と問いかけるのですが、デパルマメンバー一同は黙りこくる以外にありません。だって、いないんですもの…。
そもそもろくに彼女もいた事ないのに、カップルを描こうとした段階で間違っていたのです。ましてその間違ったカップル像を出演してくれた方に演じてもらおうなんて無理があります。
で、助監督の方、主演を努めてくれた演劇部のC氏に「おまえは彼女居るだろ?」と聞くと、C氏、即答で「います!」

もうその場にひれ伏すしかないデパルマメンバー。

演技指導というのは、こっちの見本を演者に真似してもらうのではなく、こういう場面、こういう感情、こういう動機、というのを演者に的確に伝え、演者の思うように演じてもらうことだったんですね…。そのシーンも、C氏なりのアクションを演じてもらうことで、なんとか撮り終えることが出来たのでした。


映画制作は非常に緊張の伴うものでした。一つのカットに長い時間をかけて、緊張の一瞬を切り取るのは初めての経験でした。3日間で3キロも痩せたというR氏は、撮影現場の緊張で血の気が引いて膝から崩れ落ちる場面も。他にも、寝ながらにして嘔吐してしまう部員、毎日1時間程度しか睡眠が取れていないのに日に日に元気になっていく部員、食欲が失せて玉子焼き一口で撮影を乗り切った部員、、、こんな経験、多分二度と出来ないのではないかと思います。

参加メンバー7人が一つの作品を作るにあたって、完成像を共有するために、何度も何度も議論を交わし、価値観をぶつけ合い、そうしているうちにお互いの得意不得意、長所短所が見えてきて、自然とチームでの役割も固まってきて、仲間のチカラというものを再認識させられました。
一人で自分の撮りたいものを自分の好きなように撮るのもいいけれど、その作品も、この部のメンバーの力を借りてみんなで作れば、もっともっといいものに、もっともっと自分の思いを伝えられるものにしていくことができるはずだと思い知りました。

今回、自分たちのあまりの技量不足に愕然としてしまった部分も多く、生半可な覚悟で作品を撮るのが難しくなってしまったような気もしますが、だからこそ、今回の映画制作を通して見えてきた、この部のメンバーでよりよい映画を創る方法というものを、これからの世代に繋いでいけたらいいなと思います。



そのためには、もっと部員を増やさなければ…。継承者が欲しい…!


テスト期間なので部室に顔を出す連中がぱったりと減ってしまいましたが、僕らの上映会もあと一ヶ月ほどのところまで迫っています。僕らの春休みを、もっともっと映画に染めていきたいものです。来場してくださる方々に、いい作品をお見せできるよう、頑張ります。







とむ

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